月島に愛されているのか不安でたまらない尾形の話。
現パロ。
ちょっと血の描写が入るかも。
乱暴したり監禁したりしてでもそばにおいておきたくなるんじゃないかという自分の欲望の大きさに怯える尾形と、嫌なら暴れてでも離れるから安心しろ、そうしないのは俺がおまえといたいからだとなだめる月島の話。
一人称でも三人称でも。
視点も変更どうぞ。
以下尾形の心象風景のようなもの。
腕が折れ曲がっていて足が千切れてしまっていた。奇妙な具合に体をねじり、月島は緋の中に身を浸していた。それは落ちて重なった花びらに埋もれているように見えたけれど、むろん違うことはわかっていた。ところどころが乾き、べたつき、嫌なにおいのするそれは、いいにおいのする花びらとは似ても似つかない。それでも月島の体から流れ出るものだと思えばちっとも嫌悪感を抱かないのがいっそ愉快だった。
腕も足も、もう元には戻らないように思われて(なにしろ片足は千切れてしまっている)あっても邪魔だろうと思ったのでそれを取ってしまうことにした。
それから尾形は丁寧に月島の身を清めて薬を塗ると、腕と足の代わりに花びらで作った綺麗なひれをつけてやった。まるではじめからそうであったかのようにそのひれは月島に良く似合った。ところどころの花びらの色が一定ではないことも、なんとなく味を感じさせる。
目を覚ましたら、きっと月島も気に入ってくれるに違いなかった。それにもうこれでは観賞して愛でられる以外に月島にできることはない。
「後で綺麗な水槽を用意してあげますからね」
尾形はすっかり満足して尾形だけの魚を見下ろした。